季節は移る
秋から冬にかけて唄う歌があります。歌詞の中に秋、冬、木枯らし、枯葉や落ち葉などが入っているとついついどうしてもこの時期の登板回数が増えます。
別に春に唄ってもいいのですが、お客様の気分、季節感を重視して・・・それよりも唄う方の気分が秋〜冬モードになっているからでしょうね。きっと今夜もシャンソニエ、ライヴハウスでは”枯葉”の歌が唄われることでしょう。
私の部屋の窓の下には、正面にバス通りに出る細い道があります。その道の途中に大きな桜の木があり、細い道には枝がせり出しています。部屋の前からその木までは建物がないので、窓を開けると自然にその木が目に入ってきます。
ところがある日、前庭にその桜の木がある二階建てのお宅が壊され始めました・・・朝寝坊の私はその壊す音で毎朝目が覚め、その解体工事の様子をそっと窓から眺めていました。空き地のまま放置されるような場所ではありません、あの後には何ができるのだろう？大きなマンションになるのだろうか？それよりあの桜の木も切られてしまうのだろうか？
他所のお宅の桜の木ですが、この町に引っ越してきて、毎日見ていた桜の木。毎年、春に小さなつぼみをつけ、春の訪れを教えてくれ、そして大好きな桜の花を楽しませてくれます。花が終わると元気のよい若葉が芽を出し、夏の初めになると大きな木は緑の葉でおおわれ、バス通りが見えなくなります。秋には葉が色付き、冬を迎える頃には少しずつ枯葉になって散っていきます。やがて木は枝だけになり、バス通りの様子まで見渡せるようなります。私はこの桜の木を見て季節の移り変わり、時の流れを感じてきました。
今、ようやく解体作業は終わり、更地になりました。でも、あの桜の木は切られていません！あ〜〜〜良かった。
今は枝だけになった桜の木ですが、来年、また桜の花が春を運んで来てくれるでしょうか。
（2009年12月3日）
atsuko_sugihara │Comments(0)│Monologue2009
