同じ “アツコ” というだけで・・・

私は元々読書家ではないところに、最近はめっきり読書量が減ってしまいました。特に長編は・・・根気がなくなったのかぁ?!
以前は夜中、寝る前に読んでいたのが、今は電車の移動中や立ち寄ったカフェでコーヒーを飲みながら読むようになったので、持ち運びに軽い薄い文庫本が良くなりました。

本を選ぶのに内容ではなく、本の厚みとは・・・お恥ずかしい次第です

そんなこんなの読書選びの中、数年前にふとであった本が、
須賀敦子著『ミラノ霧の風景』
私が手にした文庫本は須賀敦子全集第一巻、文庫本にしては決して薄くはない、どちらかと言うと厚い方です。ただ同じ“アツコ”に惹かれて

須賀さんは60年代初めからイタリア・ミラノに住み、翻訳をしていた方ですが、この作品はミラノでの生活、イタリア人のご主人や友人、ご主人が共同経営していた“コルシア書店”にまつわる話などが、克明な記憶の元に書かれたエッセイです。

私はこの本を読むと、まるで60年代のミラノで同じ経験をしたような気持ちになります。
日本と同じくイタリアも第二次世界大戦の敗戦国。
庶民は貧しく、けれどとても人間らしく生きていたことが、一人一人の人生の断片から垣間見れるのです。
決して幸せな(何を幸せと言うかは?!ですが・・・)結末では無かった人々・・・。でも、皆んなとても魅力的な人々が登場します。
それは須賀さんがその登場人物一人一人に正面から接してきた証拠で、須賀さんの客観的な考えをもって書かれているのもとても好きなところです。

5月に久しぶりにミラノに行った時には、須賀さんの生活していた場所をこの目で見たくて、この本に出てくる場所を尋ねてみました。

写真は・・・
17220041まずは“コルシア書店”があったヴィットリオ・エマニエーレ通りにあるセルヴィ教会(今はサン・カルロ教会で、書店はこの教会の一角に出させてもらっていたとある)
ここはミラノの中心、ドゥーモに近いので徒歩で。写真の左に今は薬局があるが、そこが書店だったようだ。

17220150次は電車に乗って須賀さんとご主人が住んでいたアパートのあった通り、“ムジェロ街6番地”へ。建物は想像以上に立派!須賀さんが住んでいた時と同じ建物なのだろうか・・・。帰りはトラムに乗って中心街に戻る。
このトラムに乗って須賀さんもアパートと書店を行き来していたのだろう、私も同じ景色を見ているのかな。


1722015317220152ドゥオーモ広場からガッレリアを抜け、マンゾーニ通りを北東に歩き、この通りを左に入ったアヌンチャータ街へ。本にはコルシア書店のスポンサーだった“ツィア・テレーザの家”がアヌンチャータ街で後ろにはペルゴ公園があったと書かれている。テレーザは貴族の末裔らしい。50年後のミラノはその当時とは変わったのだろうな・・・。建物はみんな新しい。立派な家がある、ここかな?!でも、ここは公園の前ではないしなぁ。
(2011年6月12日)


atsuko_sugihara │Comments(0)│Monologue2011 

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