須賀敦子展

先日、横浜で『須賀敦子展』を漸く見てきました。

毎月、第四水曜日には横浜にあるシャンソニエ「デュモン」に出演するので、”元町中華街駅”を利用していますが、展示会を催している神奈川近代文学館のある”港の見える丘公園”に近い出口から外に出ると全く違う景色が広がります。
エスカレーターで地上に出て、アメリカ山公園のバラを見ながらなだらかな坂を上ると港の見える丘公園があり、平日の午後の静かな公園の右奥にある会館にまっすぐに向かいました。

須賀敦子さんについて私がここで改めて書く必要はないと思いますが、
私が須賀さんの本に興味を持ったのはイタリアのことを書かれていた事と、漢字は違うけれど”アツコ”だったことがきっかけだったように思います。
けれど作品に出会った時にはもう彼女は天国に召された後。早く須賀さんの本に出会っていたら、講演会などでお声を聞けたり、お話しする時の表情を拝見できる機会があったかもしれないのに・・・ご存命中に須賀さんの本に出会えなかった間抜けな自分に腹が立ち、とても悔んでいます。

初めて手にした本は「ミラノ霧の風景」
その後、次々に彼女の作品・エッセイを読み、私は純粋に文章に心惹かれたのですが、文章のファンであることとは別に、その文章にも出てくる彼女が生活した場所が、私にとってもとても馴染みのある場所だったことに親しみを覚えたのです。
ご実家の芦屋近辺や、学生時代に過ごされた東京の南麻布から聖心女学校のある白金・・・どの坂道も町も、その時代の様子を現代の変化と照らし合わせたり簡単に想像できる場所だからです。
数年前にはミラノでの彼女の住まいだったムジョエッロ街6番地のアパートやコルシア書店のあった処・・・その他エッセイに出てくる通りを探して歩き回ったこともあります。

展示会は彼女の自筆の手紙や写真、ゆかりの人たち、エッセイや翻訳に関するもの、仕事部屋や愛用していた物・・・ゆっくりゆっくりと展示物の一つ一つを見て、須賀敦子の世界に浸りました。
閉館のアナウンスが聞こえ、外に出ると木の葉がはらはらと舞い、すっかり陽が落ちるのが早くなった晩秋の横浜港には赤い灯りが揺れていました。
今でも異国情緒が残る横浜のこの場所での「須賀敦子展」、天国の須賀さんもこの場所からイタリアに思いを馳せているかもしれません・・・。

「須賀敦子展」は11月24日まで https:/ /www.ka nabun.o r.jp/

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<2014年11月15日>


atsuko_sugihara │Comments(2)Monologue2014 

この記事へのコメント

1. Posted by 豊仲明子   2014年11月16日 09:18
私も「ミラノ霧の風景」を読んだのがイタリア入門のような気がします。イタリア人気質や町の風景に興味を抱いたきっかけとなりました。
2. Posted by 杉原あつ子   2014年11月16日 11:40
豊仲さん、
私も観光で見ることのできないイタリアや、いわゆるステレオタイプのイタリア人ではない、良い意味でも悪い意味でも本当のイタリアの一面を見たような気がしました。

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