1953年の映画

たまたまこの二日間で日本とアメリカの古い映画を2本見ました。最近はわざわざ出かけて行って映画を見ることも本当に減ったのですが・・・。それもたまたま両方とも1953年度の作品。もちろん私はまだ生まれていません。そんな知らない時代の日米の映画。それなのに何故か懐かしさを覚えた二作品でした。
日本映画
まず日本の作品は、3月26日〜4月22日まで神保町シアターで行われている杉村春子生誕110年を記念しての杉村春子が出演した作品を日替わり、時間替わりでで17作品上演されているもので、その中から「千羽鶴」を見ました。原作・川端康成、監督・吉村公三郎、脚本・新藤兼人。映画の紹介文には「茶の湯の世界を背景に展開する幻想と官能に彩られた愛憎劇。道ならぬ恋に狂う悲劇的な女を演じた小暮(実千代)と、女達を虜にする森(雅之)、二人の上品な妖艶さは絶品。毒気たっぷりの杉村の怪演にもご注目」とあります。杉村の演じる女は意地悪でもあり、時には可笑しみもあり、どこか茶目っ気も垣間見え、それなのに愛されない哀しみと孤独・・・そんな女のすべてを内包している。軽やかな台詞回しと動き、静止した時の不気味さ、突然、感情が噴き出たときの凄味は、確かに怪演かもしれない。この映画が撮影された時、杉村は40代半ば過ぎ・・・。そうか〜やっぱりこんな芝居ができる人はいないなぁ。舞台だけではなく、日本を代表する映画監督が皆、杉村を使いたがったわけが分かる。杉村先生が晩年に「昔の映画が上演されるでしょ・・・あれを見ると、あれから何十年も経っているのに大して上手くなっていないんだもの・・・嫌になっちゃうわ」と独特の早口で話されたことを思い出しました。それにしても出演している女優さんたちの着物姿、所作が綺麗です。着物が着せられたものではなく身についていた時代。畳や障子の日本家屋での自然な立ち居振る舞いの美しさは、今ではもう見ることができません。
アメリカ映画
もう一本のアメリカ映画は「グレン・ミラー物語」。知人が主催している古い映画の鑑賞会に誘われて見てきたのです。物語はよく知られたグレン・ミラー楽団を作ったグレン・ミラー(ジェームス・ステュアート)の半生を音楽と共に描いたものです。グレンを支えた奥さんヘレンを演じたジェーン・アリスンがとっても良い 特別美人でもなく、声もハスキーぎみ、アメリカ人にしては小柄。その普通な感じがいい。もちろん演技をしているのは分かっているのだけれど、殊更ではなく、普通の人に見えるところが良いのです。偶然、日本とアメリカで同じ年に作られた映画、全く内容もテーマも手法も違う映画です。でも私には日米の女優さんが印象に残りました。考えてみればまだ戦後から8年しか経っていないのです。まだまだ知らない良い映画がいっぱいあるのでしょうね。
<2016年4月12日>


atsuko_sugihara │Comments(0)Monologue2016 

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