イタリア映画・7分間
映画のタイトルをじらしましたが、見た映画は「7分間(7minuti)」というイタリア映画の最新作。
フランスで実際にあったお話をイタリアに置き換えて展開されます。ローマのある繊維工場がフランス資本家に売り渡されるにあたり、イタリアの女性労働者たちが解雇になるのかどうかと不安がつのる。
様々な背景と事情を持つ11人の女性労働者代表は結束して交渉にあたるが、新しいフランス人オーナー、工場側はある提案を出してくる。その条件さえ飲めば解雇もなく、それは簡単に受け入れられることに思われた。その条件は7分間の休憩時間を削減するというもの。たった7分間。それを受け入れれば解雇されずに済むという多数の工員代表者に対して、リーダー格の女性はその7分間の意味を説明し、賛成VS反対の意見の中で議論が白熱する。
この物語は事実に基づいているのですが、まずイタリアで舞台化されたそうで、映画もその舞台が想像できる上質の会話劇になっています。登場人物それぞれの背景、心理描写も良く描かれている。また女優陣もドキュメンタリーを思わせるようにリアリティのある演技が上手い。
ストーリー的にも労働者が経営者と戦ったという話だけではなく、そこには現代イタリア、ヨーロッパが逃れることができない移民労働者の問題、経済低迷による失業、女性、民族、人種差別の問題が内包されている。おまけにテロ問題・・・そのことによる生活の不安。映画は実際にフランスであった話よりも問題が複雑で深刻になっていると思う。2016年にこの映画が作られた意味は大きい。
諦めずにこの映画を見ることができて良かった



さて、私がこの映画に興味を持ち、なぜどうしても見たかったか・・・
それは女性労働者代表11人の一人として歌手のフィオレッラ・マンノイアが出演しているからです。
主演のオッタヴィア・ピッコロは「山猫」「わが青春のフローレンス」「アランドロンのゾロ」にも出演した名女優で、今は舞台を中心に活躍し、この「7minuti」の舞台でも主演をしています。他の女優さんについてはよく知らないけれど、イタリアで活躍されている女優に違いないのです。どうして歌手のフィオレッラが女優として映画に出ているのだろう???日本でも歌手が芝居をすることだってあるから特別不思議なことではないのだけど・・・
さて、映画の彼女の演技を見ている間にその自然さに歌手・フィオレッラだということを忘れてしまいました。顔やヘアスタイルはいつものままだけど。
上演後、出演のオッタヴィア・ピッコロとアンブラ・アンジョリーニが登場してご挨拶と質疑応答がありました。
せっかくの機会だからフィオレッラをこの映画にキャスティングした理由を監督に訊きたかったのですが、監督のミケーレ・プラチドが急用で来日できなかったので、質問をどうしようかと躊躇ったのですが・・・
マネージャー(?)、プロデューサーらしきイタリア人がいたので手をあげて、思い切って質問してみました(もちろん通訳がいます)
「私が思うには・・・監督は歌手として素晴らしいフィオレッラだからきっと演技もできるだろう、この役をこなしてくれるだろうと考えたのだと思います。そして、フィオレッラは素晴らしい演技をしました
」と答えてくれました。また主演のオッタヴィアからは「彼女はとても謙虚にも私の演技がこれで良いかどうか常に訊ねてきました。彼女は素晴らしかった」と。
」と答えてくれました。また主演のオッタヴィアからは「彼女はとても謙虚にも私の演技がこれで良いかどうか常に訊ねてきました。彼女は素晴らしかった」と。フィオレッラのあの歌の表現力は演技でも活きていました。
ここからは私の想像ですが・・・私が思うには、フィオレッラはこの映画のテーマであるようなことに問題意識を持ち、活動しているからこの役をするのに相応しいと思われたのだろうし、彼女自身も意義があると考えたんじゃないかなぁ〜。
atsuko_sugihara │Comments(0)│Monologue2016


