Monologue2008

来年に向けて

IMG_84492008年も残り2日になりました。今年は世界的な大不況が起こり、その影響が猛スピードで私達の生活も脅かし始めました・・・暗いニュースばかりが印象に残った一年でしたが、2009年は明るく少しでも希望の持てる年になりますように願わずにはいられません。私個人的には5月のCD「Portrait」の発売、9月の「二十周年記念コンサート」と、2008年は歌手として本当の自分探しの20年の纏めの年、大きな区切りの年でした。色々と迷いの多い日々の中で、純粋に本当に表現したいものを見つけ、唄う。この単純なことがなかなか出来難いのですが、今年の唄い納めには先日のモノローグにも書かせて頂いた大好きな曲「Io che amo solo te」を唄わせて頂きました。例え、皆さまにとってお耳馴染みではない曲であっても、きっとこの曲の良さが解ってもらえると信じて。この曲のようにシンプルだけれど人々の心に何かを伝えられる、私もそんな歌が唄える表現者になれるように来年も精進してまいります!
年初めには久しぶりに着物で唄おうと思っています。唄うのはカンツォーネであっても日本人ですからね。お正月位は着物でも良いでしょう?!是非、着物姿も見にきてくださいね。どうぞ、良いお年をお迎えください!!!
(2008年12月29日)


クリスマス

今年も残り一週間。「どうぞ良いお年を!」なんて挨拶が交わされています。私自身は気分はもうお休みモードです。今年最後に唄う曲は何になるだろう?!やはり好きな歌で締めくくりたいものですが・・・。でもその前に、やはりクリスマス!毎年、特別なクリスマスをしないまま過ぎていますが、お店の飾りはクリスマスムード。BGMもクリスマス・ソングがかかっています。私もこの時期にはクリスマス・ソングを唄うこともありますが、せっかくカンツォーネを唄っているのだからイタリアのクリスマス・ソングを唄おうと、もう何年も思っていたのに実現できずにいましたが、今年は正真正銘、イタリア産のクリスマス・ソングを仕入ました。去年、ローマに行った時にクリスマス・ソングの楽譜集を買ってきておいたのですが、去年は間に合わず、ようやく今年、唄うことができました。イタリアでは老若男女、みんな唄う曲です。
クリスマス・イヴ、クリスマスと二日間は唄いますので、是非、聞きにいらして下さいね。さぁて・・・来年まで覚えていられるかな・・・!?
素敵なクリスマスをお過ごしください☆
(2008年12月23日)


心静かに・・・

今年もクラブ・ワールドカップが始まりました。昨年はあんなに盛り上がったのに今年は・・・ご存じのように欧州で勝ち抜いたのはマンチェスター・ユナイッテドですからね。昨年、我がACミランは優勝する為に大会に照準を合わせ、イタリアでのリーグ戦を無理してしまい、国内で4位に入れず、今期チャンピオンズ・リーグの出場を逃してしまいました。ということは、来年も日本に来ることはないのです(イタリアのリーグ、セリエAで4位以内に入れば自動的にチャンピオンズ・リーグに出場できる)。気分が盛り上がらないのは、未曾有(ミゾウ)の大不況の所為もあるかもしれません?!
気分が乗らない時には好きな歌手の歌しか聞く気になれません・・・こんな時に聞くのは私はやはりフィオレッラ・マンノイア! 彼女の低い声とケレン味のない媚びない唄い方は心に響きます。以前、イタリアで友人の知人にナポレターナしか歌じゃないと言っていたナポリ出身の男性がいて、あえて彼に「フィオレッラってどう思う?」って訊いたところ、「彼女は言葉がいいねぇ!」って答えが返ってきたことがありました。イタリア人の言う“言葉”にどんな意味が含まれているかは分かりませんが、その時に私はとても共感し、納得したのです。実は私も言葉がいいとかねがね思っていたからです。言葉がいいというのは歌詞がいいということもあるかもしれませんが、私の解釈では言葉に説得力があるということなのだと思います。まさに彼女の言葉には説得力があります。外国人の私にも意味が分からなくても、一言一言が丁寧に伝わり、何かを感じさせるものを持っているのです。
最近お気に入りの彼女の歌は「Io che amo solo te」。この曲は60年代にセルジオ・エンドリゴが唄い、ヒットしたラブ・ソングです。その後も色々な歌手がカバーして唄っています。でも、このシンプルな歌が、彼女が唄うととても重みのある深い歌に聞こえてくるから不思議です。この混沌とした世の中、欲望に満ちた人々、でも“あなただけを愛する私”、純粋な気持ち、愛こそが世界平和につながるとまで思わせてくれるのです(ちょっと思い込みが激しいですが)。そして温かいものが胸にこみ上げ、頬に涙がこぼれます。
冬空にひとり孤独に輝く月を見ながら、今夜も心静かに聞きましょう・・・
(2008年12月12日)


記憶

根岸にある老舗のお料理屋さんの大広間で行われた、知人の日本舞踊の会に行ってきました。幕の後ろで調子を合せている三味線の音が、開演前の心弾む瞬間です。生三味線は久し振り・・・やっぱり生はいい!今日の主役の彼女はお祖母様、お母様も舞踊家で、個人で舞踊の会を主催し、時々公演を行っています。彼女がまだ10代の頃、他流派で武者修行とばかりに、私が習っていた日舞の先生の所にも習いに来ていました。その頃は本当にキャピキャピしたお嬢さんでしたが、今日の彼女はしっとりと落ち着いた風情になり、月日の流れ、そして積み重ねてきたものを感じました。
扇子と手拭い演目は清元「むさし野」、そして清元「鳥刺し」。幕間には“里見京子”さんの人情味あふれる素敵な朗読、清元“美好太夫”さんから演目の説明と、清元の節の簡単なレクチャーがありました。西洋音楽で言うところの音符通りにまず唄い、その後に清元らしい『ムー』と音を出してから振り上げるような節や、振り動かしをした技巧的な歌い方をして唄い分けてくれたのです。そうそう、この技巧的な節が入ってこそ“清元”なんです!私は長唄・三味線(長唄)・鼓(長唄)を習っていたことがありますが、この江戸の粋な節回しは長唄にはないところ、正直に言って以前から、清元の方が格好いいなぁ、好きだなぁと思っていましたが、それが具体的に解明されて納得。「むさし野」は西川流にしかないものらしく、私も今回が初めてでした。「鳥刺し」は忠臣蔵の書き替え狂言の中で、竿の先に鳥黐(とりもち)をつけて 鳥を採る職業の鳥刺しを、幇間(ほうかん)が模して踊る舞踊です。随分前に私も日舞の「おさらい会」で踊ったことのある舞踊、この軽妙洒脱なところが好きなんですねぇ。
帰りの電車でこの「鳥刺し」のことを考えていたら、急に中学2年の音楽の歌のテストの時に唄った「鳥刺しパパゲーノ」と言う曲を思い出しました。この曲はモーツアルトの歌劇「魔笛」の中のアリア。何故か音楽の教科書に載っていて、先生がどの曲を唄ってもよいと言うので、クラスの中では私だけが唄い、テストなのにいつの間にかピアノの前にクラスメイトが集まって宴会のようになったのを覚えています。覚えていると言うよりも、突然思い出しました!もちろん歌詞は日本語ですが・・・『ほい、わっしゃ(わしは)、ちょいとここらの名物だ〜よ、ほい、さっさ』。私の記憶の彼方に消えていた歌が「鳥刺し」という同じキーワードで、つい昨日のことのように蘇ったのです。人間の記憶ってどうなっているのだろう???そして私が好きな物は、ただきれいな景色を描いたり、美しい振りだけの踊りや歌ではなく、みんな非常に演劇的な描写を必要とするものだと今更ながら気がつきました。そんなことを考えていると・・・・ひと駅乗り越してしまいました(泣)。ボーっとしていると降りる駅も忘れてしまいますね。
(2008年12月3日)


円高

もうすぐ12月・・・・月日の経つのは本当に速い!!!年々速く感じるのは歳の所為でしょうか 10歳の子供にとっては1年は10分の1、でも60歳の人にとっては60分の1。だから歳をとると1年が速く感じるんだと聞いたことがあります。あ〜〜〜私は○○分の1、短く感じるはずです。

ちょうど一年前にパリ、ローマに旅行したのですが、もうずっと昔のことのように感じます。あの時は今よりも40円〜45円ほどユーロに対して円が安く、何も買わずに帰ってきたのですが、とっても損をしたような気になり、今年にすればよかったなんて思ったりして・・・Tutti qui (2005) / Claudio Baglioniそして、今ローマではクラウディオ・バリオーニ(私は彼の「最終電車(Poster)」を歌っています)のコンサートも開かれています。バリオーニのコンサートはミラノに引き続いてのコンサートで、両都市ともキャパシティが1000人以上入る大きな劇場でそれぞれ10日間のコンサート。行くこともできないのにホールのある場所、チェントロ(中心地)から行く場合の交通手段を調べたり、どんなコンサートなのだろう、こんな大きな劇場でお客さんが満員になるのだろうか、そんなところで何日もコンサートができるなんて、やはりバリオーニの人気は不動なんだろうな・・・思いはローマに飛んでいます。欧米への旅行には円が高いと有利ですが、円高のおかげで日本の企業の業績がとても落ちているようです。個人的には円高は有り難いけれど、日本の経済が悪くなるのはじわじわと私の周りにも忍び寄り、首を絞めています。個人的なことより、やはり日本が良くなってくれないとね!

YouTubeにオリジナル曲の映像がアップされました。ご覧下さいね!
(2008年11月28日)


生きがい・・・って?

クリスマスの飾りと東京タワー11月も半ばを過ぎ、世界的な経済危機で浮かれたムードではありませんが、それでも街はクリスマスの飾りで賑わい始めました。私自身はクリスマスの飾りを横目に、全然違う世界に身を置いている気がしています。やはり今年も、オリジナル曲の「十二月」の気分です。
私は出不精で用事がないと出かけないのですが、このお休みの間に銀座に出たついで、そして渋谷に用事で行ったついでに映画を二本見ました。その一つが「マルタのやさしい刺繍」。舞台はスイスの小さな村で、夫に先立たれて生きる元気もなくしていた80歳のマルタが主役。彼女はふとしたことから若い頃の夢だった“自分でデザインして刺繍をしたランジェリー・ショップ”を持つことを思い出し、元気を取り戻します。そして、息子や保守的な村の人たちの反対、妨害に遭いながらも夢を実現していきます。そんな中で彼女を応援する3人の友人もそれぞれの生きがいを見つけます。心温まるストーリー、おばあさん達の勇気に熱いものがこみ上げてきました。日本も超高齢化社会、考えさせられます・・・映画のようになかなか旨くいくものではありませんが、ささやかなことでも生きがいを持てれば幸せな人生なのだと。田舎にいる年老いた私の両親にとっての生きがいは何なのだろう?!高齢者の生きがい、介護の問題、他人ごとではありません。私に出来ることは・・・・映画を見終わった後の温まった気持ちと反対に、逃れることのできない現実が重くのしかかってきます。
渋谷で見たのは「ブーリン家の姉妹」。ヘンリー8世にローマ・カソリックからの離脱をさせ、離婚を正当化させたイギリスの歴史を変えさせたといわれるアンとその妹メアリーの物語。アンは女性を出世や成功の道具としてしか考えられない時代に、自分の意思で生きようとし、野心を持ち、王女の地位を得るも結局は自分の策に溺れて処刑される。一方、優しくて控え目なメアリーは一族の男性に翻弄され、不幸に見えるが最終的には幸せな一生を送る。女性の生き方として(人としての生き方)とても興味深く、またまたささやかな幸せの大切さを考えずにはいられませんでした(主演の女優陣も適役で、引き込まれました)。
クリスマスツリー私の生きがいは・・・そして皆さんにとっての生きがいは・・・?
(2008年11月19日)